お墓のリフォーム。お墓の移転には十分にお気をつけ下さい。

2017年2月3日

こんにちは。本小松石のお墓を、産地の湯河原町にて製作しています、菅井石材の菅井です。

本日、お墓のリフォームが無事に完成しました。

 

今回、改修させていただきましたお墓は大変珍しい、と言いますか...

(私はこの件をブログの記事にするかどうか悩みましたが、このような事態が少しでもなくなる事を願い、書かせていただきます。)

まずは、先に結論を書かせていただきますが、お墓の移転には十分にお気をつけ下さい。

 

昨年末、こちらの民間墓地を管理する方から連絡がありました。

「年明けに埋葬するお墓に、有るはずの納骨室の入り口が無いから見に来て欲しい。」との事でした。

早速、現場に行きまして見させていただきましたところ、やはり納骨室のフタ、拝石はありませんでしたが、おそらく土の中に埋まっている事を管理人の方にお話しし、スコップで掘ってみました。

地表から20cmくらいの深さで、コツンと石に当たる音がしました。

そのまま土を取り除いたらこのようになっておりました。

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フタ石は土の中に完全に埋まっておりました。

さらに驚くことに、納骨室を塞ぐためのフタ石の上に高さ5cmほどの隙間が空いていました。

土の中でこの状態ですので、土や雨水が納骨室の中に常に入ってしまう状態です。

そして、石塔と納骨室の位置ですが、なぜか右後ろにぴったりと寄せて建っておりました。通常は1基の石塔でしたら中央に建てます。(こちらの墓地、2基は建てられません。)

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何故でしょうか、そもそもの設計がとてもお墓まいりしづらく、この民間墓地やお隣様にも全く合っておりません。

そしてもう1つ、このお墓、外柵いっぱいに土が入っておりますが、この写真で見えます外柵石は下石として使う腰石やコーピン石ではなく、上石として使う幕板と言いまして、墓地を囲う柵のように使うべき石です。

前石がこのような高い設計でなければ、土や化粧砂利などの地表はこの幕板石の下端の高さが望ましいです。(この問題も解決するリフォームとなります。)

 

人様の大切にしているお墓に対して、こちらが何か意見をさせていただくようなことは通常いたしませんが、今回の件に関しましては、管理されている方と相談し、ご家族の方に説明をさせていただきました。

するとこちらのお母様はかねてから、お墓の作りがおかしいことを気にされていました。

お母様とこちらの墓地を管理されている方のお話によりますと、十数年前、別の場所にあったお墓をこちらに移転され、どうやらその時に移転工事を担当した業者が、このような施工をしてしまったそうです。

私が設計がおかしいと感じたのは、移転前のお墓の作りを、移転先の雰囲気に合わせることなく設置してしまっていたからでした。

 

お母様と息子様に今回の3つの大きな問題点と、それに対するご提案をお話しさせていただきまして、快くご理解をいただきました。

息子様からは、墓地の前側を今風の使い勝手の良い形にして欲しいとのご希望をいただきまして、お墓のリフォームをさせていただくこととなりました。

(このご希望が、今回のリフォームの要となりました。)

 

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まずは石塔を組み外しました。

そして墓地前側の大きく長い石を外し(何だ〜?このコンクリートは!)、工場へ運び、息子様の希望された形へ加工するため石を3分割にしました。

 

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左右の石はこのような形に加工しR面を磨きます。

 

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真ん中には、アプローチのように低く奥行きのある石を設置します。

これにより、とてもお墓まいりがしやすくなります。

 

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その間、現場ではコンクリートの削岩です。これには大変苦労しました。

石材業者ではこのようなお墓の作りはしませんので、おそらく本業ではない方が移転工事をされたのだと思います。

 

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そして納骨室を本来あるべき中央へ設置し、工場にて加工した前石を据え付けます。

息子様から前側を今風の使い勝手の良い形にして欲しいとのご希望をいただいたことにより、墓地の地表が幕板石の下端まで下がり、余分な土を取り除くことができ、幕板石も本来の使い方が出来るようになりました!

 

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そして土の着いていた幕板の内側をクリーニングし、石塔を耐震施工にて据え付け、化粧砂利を撒き完成です。

 

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before 右奥に寄せられた石塔と納骨室。土の中に埋められ隙間の空いた納骨室とフタ石。異様な高さの前石。

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after   通常の本来あるべきお墓の形になりました。

お母様、息子様に完成の報告をし、大変喜んでいただきました^^

 

お墓の移転には十分にお気をつけ下さい。

移転を依頼する業者選びは勿論、とても大切です。

それと同様にお施主様ご自身でも、移転先の墓地に移転前のお墓の作り、雰囲気が合っているかどうか、少し気にされるだけでも大きく違いが出るのではないかと思います。

もし合っていないようでしたら、しっかりと加工の出来る業者をお選びください。

 

最後までお読みいただき有り難う御座いました。

まだまだ寒い日が続きますので、どうかご自愛ください。

 

有限会社菅井石材
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